2016年7月11日(月)(晴れ)
7月9日(土)恒例の「第29期経営ガイドライン説明会」が開催されました。
説明会の様子は次のブログに記載しますが、冒頭に行いました、ワタクシの「社長退任挨拶」を記載します。
----------------------------------------
皆さん、こんにちは。長田です。この時間を借りて、皆さんに社長退任の正式な挨拶をしたいと思います。信じてもらえないかもしれませんが、私はもともと一介の技術者、即ちSEとして1993年(今から23年前ですね)キャリア採用でこの会社に入社致しました。
2000年にシステム開発全般を統括する取締役を拝命し、2008年4月(第20期ですね)に代表取締役社長に就任して、はや8年半が経ちました。
正直な気持ちを申し上げますと、真面目に考えれば考えるほど、責任の重さに苦しんできた8年半だったと思います。JALの再生に尽力された稲盛さんが言っていた「耐え切れない重圧に耐え、物欲や名誉欲といったエゴを捨て去り、人のため社会のために献身的に生きること。それが経営。」という言葉を、私なりにですけど、かみしめてきた8年半でした。
当社は120名という小さな規模ですが、利益を出すこと、そして会社を持続的に成長させるという経営の使命は会社の規模や創業年数には関係ありません。就任直後、会社の中核価値としてMVV(Mission、Value、Visionですね)を制定し、「Feel Good ⇒Good Result」といったスローガンをつくり、会社の風土や「ご機嫌力」のような経営のソフト面に力をいれようとした矢先に、リーマンショックが起こりました。それでも当社はお客様に恵まれていたことに加え、ここにいる社員の皆さんの頑張り、そして摩訶不思議ともいえる度重なる運の良さもあって、厳しい経済環境にあっても増収増益を続けることができ、第22期には復配が可能になりました。
また、中でも印象に残っているのは、やはり創業25周年、企業の生存率からすると0.3%以下という確率の創立四半世紀を乗り越えたことを記念して、「創業25周年感謝の会」を帝国ホテルで開催しました。当社としては、初めて外部から、日ごろお世話になっているお客様やお取引先の方々を100名以上ご招待したのですが、イベントとしては大成功でした。スライド作りや生BGMはすべて当社社員の手作りで、心のこもった「おもてなし」ができたと思っています。お祝いを固辞したにもかかわらず、当時社内は立派な胡蝶蘭や花束、そして今でも形の残る贈り物であふれかえっていましたね。
胡蝶蘭や花束といえば、今現在も大森本社のエントランスは森岡新社長就任祝で、いただいたきれいな花束であふれかえっていますので、是非社員の皆さんに見てほしいと思います。
さて、私が何故今このタイミングで社長交代を実施した理由について、少し社員の皆さんにお話したいと思います。
私は社長を拝命した時から、後継者を考えることは社長としての重要な責務であると考えていました。私自身のポリシーとして、社長職を担うのは7年以上10年未満という考えがあります。7年未満、即ち7年より短くては、自分の目指す経営を具現化するには、時間的に足りないし、10年以上担うと老害になりかねない。(オーナー企業では別かもしれませんが)
この2年くらい、内外を含め、後継者を探してきました。同時に、会社としてIPOを目指すことが可能な財務体質ができてきました。後継者の条件は、下請けメインのSI事業以外のIT事業モデルを具現化し、IPO時の強みにすることができる人、そして何よりも当社社員即ち皆さんとその家族を大切にしてくれる人。私が良く皆さんに話していた、ストーリーという戦略思考からすれば、事業の成長は、非連続的な「革命」よりも、連続的な「進化」の結果です。ただ、正直、私はこの会社に入社して23年、そのうち16年は、社長を含め、経営者としての役割を担ってきました。ある意味、この会社のこれまでのDNAが良くも悪くも染み付いていることは否めません。事業を進化、変革させ、新たな強みを創出しながらIPOを目指す上では、経営TOPをこのタイミングで変えるのがベストだと思いました。先ほども言いましたが、2年という時間をかけて、垣原前専務とともに、これまで4名の次期社長候補者と会いました。その中で、森岡新社長がこの会社の持続的成長を担ってもらうにふさわしいという判断で、今回の社長交代が実現しました。経営者は、お客様や社員、そして様々なステークホルダーに対して、預かっているアセット即ち経営資源を最善最適に活用して、最大のリターンを返していくという責任を担っています。森岡新社長には大きな期待をよせています。
私はこの第29期から、取締役会長という役割を拝命しておりますが、取締役会長は、会社業務の大綱を総覧し、取締役会の構成員として会社全般にわたる業務活動の管理に参画する責務を担っています。
そのような責務の中で、会長としては、この会社の価値、存在感を名実ともに広げていけるよう、主に対外活動に力を入れていきたいと思います。森岡体制になって、これまでのSI事業とは異なるPSI-Plusのような新たなCI事業を立ち上げ、変革を図ろうとしています。しかしながら、SI事業はまだまだ中核事業として、今期の予算の多くを占めています。そういった中で、SI、CI両事業を進化・発展させる上でも、対外的な活動を更に活性化して、他の企業や大学との共創(Co-Creation)も視野に入れ、新たな事業価値創出の役に立ちたいと考えています。また社内においては、経営資源の中で最も重要であるヒトの人材育成に関わりたいと考えています。特に組織長を対象に、会長塾なるものを、定期的に開催しようと思います。具体的には、財務会計や組織行動論、リスク・マネジメント等の講義とディスカッション、試験(笑)を準備します。
いずれにせよ、ボードの一員として全力で森岡新体制を支えていくつもりです。
結びになりますが、この場を借りて、これまで代表取締役社長としての私を支え、協力をしてくれた社員の皆さんに心から御礼申し上げます。
また、Pro-SPIREの2代目社長で私の経営のお師匠さんとして、Pro-SPIREの持続的成長を応援し続けてくださる中沢相談役に心から感謝申し上げます。
そして、とりわけ、重圧のある代表権を共に担ってくれた前専務取締役の垣原さんに深く感謝申し上げます。垣原さんも私もこの会社の創業にかかわった人間ではありませんし、経営を司るという人生を共に歩むとは思ってもいなかったことは事実です。それでも垣原さんが、企業の生命線である財務を一手に引き受けてくれたので、厳しい経営環境にあっても、資金繰り等に頭を悩ませることなく社長業に専念させてもらえたことはものすごく幸せなことだったと思います。本当にありがとうございました。
森岡新社長と新たな時代に立ち向かっていく皆さんへ、大きなエールを送るとともに、森岡新体制下におけるPro-SPIREの持続的成長のために、私自身に課せられた役割を全力で担うことを約束して、私の社長退任の挨拶と致します、ありがとうございました。
以上